発達障害者には体温調節が苦手な人が多くいます。特に子どもにその傾向が強く現れます。
自律神経が未熟なため熱が溜め込んでしまったり、逆に発散し過ぎてしまう特性を持っています。
今回の記事では発達障害の方が体温調節を苦手とする理由やその対策についてご紹介します。
発達障害が体温調節を苦手としてる理由
なぜ発達障害は体温調節が苦手なのでしょうか。
自律神経の発達が未熟なため
発達障害の方は自律神経の発達が健常者に比べて未熟な場合があります。
通常であれば、運動を行ったり気温が高くなると自然と汗が出て体温調節をします。
これは自律神経の働きによるもので、内外からの情報や刺激に対して無意識にバランスを取ろうとするからです。
しかし、自律神経の働きが鈍いと体温が上がっても汗をかく機能が正しく働かず、体内で熱が篭ってしまい体温を下げることができません。
反対に自律神経の働きが過敏な場合もあります。
その場合は汗をかく機能が過剰に反応してしまい、少しの運動でも大量の汗をかいてしまい、必要以上に体温が下がってしまいます。
暑さや寒さを感じにくいため
発達障害の特性として、特定の感覚が過敏であったり(感覚過敏)、逆に鈍かったりすることがあります(感覚鈍麻)。
そのため、気温に対する感じ方にズレがあり、少しの暑さや寒さに対しても実際よりも異常に暑く感じたり、寒く感じたりします。
春に一人だけ汗だくだったり、秋にマフラーとコートを着て外出するなどが考えられます。
反対に暑さや寒さを感じにくい場合もあり、気温が高いのにも関わらず暑いと感じない人もいます。
暑さを感じないといっても、実際には体内に熱が溜まっているので気付いた時には熱中症になっていたということもあるそうです。
衣服の調節が出来ないため
発達障害の方の中には肌触りを極端に気にしてしまう場合も多く、気温関係なく自分にとって着心地の良い服しか着ない人もいます。
こちらも感覚過敏が関係しており、人によって肌に触れるものに対して好き嫌いが極端に現れてしまいます。
特にASDに多いのですが、自分へのこだわりが強い場合も多く、長袖の服が好きならば猛暑日でも長袖を着てしまい、衣服での体温調節ができないこともあります。
体温調節ができないことによる影響
実際に体温調節ができないことで、身体に様々な影響が発生してしまいます。
熱中症や脱水症状
自律神経が未熟なため体温が上がってしまっても熱を体の外に逃すことが出来なかったり、自分では暑くないと思っていてもいつの間にか体温が上がってしまっており熱中症になることがあります。
また、自律神経が過敏に働いてしまい必要以上に汗をかき脱水症状になる可能性もあります。
自律神経は子どもの方が未発達な場合が多いため周りの大人はこまめに水分をとられせるなどの対応をお願いします。
意識の低下
体温が上がることで、反応が鈍くなったり、動作が遅くなります。
最悪倒れてしまうこともあります。
意識が低下することで注意力も散漫になって倒れないまでも事故などの二次被害に巻き込まれる確率も高くなります。
睡眠障害の原因
睡眠中に熱がこもってしまい眠りが浅くなったり、暑さで夜中に目が覚めてしまいます。
また、大量に寝汗をかいてしまいそれが不快感となり起きてしまう場合もあります。
睡眠が十分に取れないと、日中に眠くなってしまったり疲れでストレスが溜まってしまうなどの障害も発生します。
体温調節が苦手な人の対策
本人に自覚がある場合は、それに対する対応策をとるようにしましょう。
- 気温管理が苦手ならばアプリ等を使用してその気温にあった格好をするよう心がける
- 過剰に汗をかいてしまうのであれば汗をかいていない時からこまめに水分をとる
また、本人に自覚がなくても何かしらの外見の変化が現れる場合もあります。
そんな時には周りの方が気にかけるようにしてください。
- 顔が火照っていたり、汗をかいていたらこまめに水分補給させる
- 明らかに周囲の気温に反する衣服を着ているのであればクーラーを使うなどの処置を行う
コメント