ADHDのタイプには、「不注意優勢型」、「多動性・衝動優位型」、「混合型」の3タイプに分かれます。
その中で今回は「不注意優勢型」について深掘りしていきます。
不注意優勢型の特徴
「不注意優勢型」はその名の通り、ADHDの中でも特に「不注意」の要素が最も強く現れてしまいます。
特徴としては、「一つのことに集中することが難しく、集中力が長続きしない」、「周りの刺激に気が散りやすい」、「ものをよくなくしたり、忘れっぽい」などがあります。
不注意優勢型の不得意なこと
不注意優勢型は、日常生活では以下のような形で現れます。
- 好きなことに集中しすぎてしまい、切り替えが難しい
- 面と向かって話しているのに、話を聞いていないように見えてしまう
- うっかりミスや細かいところでの不注意が足りない
- 注意しながら集中し続けることが難しい
- 音や刺激に敏感に反応してしまい、すぐに気がそれてしまう
- 物事を順序立てて行うこと、期限を守ってスケジュール通りに進めることが難しい
- 持ち物や予定を忘れてしまうことがある
- 同じ作業を繰り返すことが難しい
不注意優勢型が起こしてしまう過度の不注意は、ワーキングメモリという脳の機能が十分に働いていないためという可能性があります。
ワーキングメモリとは、自分が今していることや考えていることを覚えるための短期的な記憶機能です。ワーキングメモリが正常ならば、今の自分が置かれている状況を客観的に理解し行動に移すことができます。
しかし、不注意優勢型の場合は、客観的に自分の立場を見ることが難しく、その場に適した行動をすることができないと考えられています。
不注意優勢型の得意なこと
欠点があると同時に、不注意優勢型が得意なこともあります。
- 興味があることに対してはいくらでも集中することができる
- 興味の対象が広い
- 頭の回転が早い
不注意優勢型の得意なことは、興味の対象が変わりやすい分多くの幅広い知識を吸収することと、過集中と呼ばれる興味がある分野に対する集中力が凄まじいところです。
そのため、独創性のある仕事や型にはまらず試行錯誤でき、かつ自分が好きな仕事が向いているとされています。
逆に型にはまった仕事や、同じことを繰り返し行う仕事はすぐに集中力が切れてしまいます。
不注意優勢型が向いている仕事
不注意優勢型のADHDに向いているとされる職業をご紹介します。
ただし、興味が一切ない仕事は自分には向かないと思います。
- 企画職
- デザイナー
- プログラマー
- アーティスト
- 研究者
- 発明家
- 画家、彫刻家
- ファッションモデル
- 起業家
etc.
まとめ
不注意優勢型は、誰でも簡単にできるようなやることが決まり切った仕事が苦手な反面、自分の色を全面に出していけるようなクリエイティブ系の作業や仕事に適しています。
よく言えば他人よりもより最大の結果を出せる可能性はありますが、環境や仕事内容によっては最低基準以下の成果しかあげることができない可能性もあります。
短所をカバーするように生きるのではなく、長所だけを全面に発揮できるような環境を整えることに全力を注ぐことが大事だと感じます。
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