「なんとか片付けが出来るようになりたい。」
片付けが苦手で困っているADHDの人は多くいます。
そんな苦手な片付けでも工夫次第で出来るようになります。
ADHDは苦手なことがある反面、得意なこともあります。
得意な部分を片付けに応用することで苦手を克服しましょう。
ADHDにとって片付けが苦手な理由とは?
そもそもなぜADHDにとって片付けを行うことが苦手なのでしょうか。
ADHDには以下のような弱みがあります。
- 集中力が切れやすく注意力散漫
- マルチタスクを行うと効率が落ちる
- 整理整頓が苦手
- 優先順位を決めることが苦手で先延ばししやすい
- 衝動的に行動してしまう
ADHDは集中力が切れやすいため行っている作業を途中で辞めて別の作業を行おうとします。
さらに複数作業を同時に行うようなマルチタスクが苦手なため無意識に頭の中をシングルタスクに切り替えてしまいます。
結果、最初に行っていた作業を中途半端な状態で放置することになります。
洗濯物を畳んでいたのに途中で放り出してYoutubeを見始めてしまう、と言った感じです。Youtubeを見始めた時にはすでに洗濯物を畳むことなんて忘れています。
中途半端になった作業が積み重なることで部屋全体が散らかっていきます。
しかし、整理整頓が苦手な上にどこから手を付ければ良いのか考えることが得意でないので片付けをしようとしても先延ばしにしてしまいます。
また、ADHDは衝動的に行動してしまうという特性があるため買う必要が無い物まで買ってしまい所有物が増えます。
物が多いということはそれだけ部屋が散らかりやすくなります。
このように片付けが苦手な理由はADHDの様々な特性が混ざり合っていることがわかります。
ADHDが得意な片付け方法
ADHDには以下のような強みがあります。
- 興味があることにはズバ抜けた集中力とこだわりを持つ
- シングルタスクが得意
- 決断力がある
- 行動的でアクティブ
発達障害であるADHDは苦手なことや短所がピックアップされがちですが、得意なことや長所も存在します。
強みを活かすことで苦手な片付けを得意にすることができます。
ルールを設定する
まずは、片付けを行う際のルールを設定します。
片付けを行っていると、「これはどこに置こう」「これは捨てても良いかも」と言ったように多くの決断を行う必要があります。
一つ一つに対していちいち決断していると疲れてしまいますし、考えるたびに手が止まってしまうので片付けが進みません。
そのため、片付けを行う前にルールを設定しておきます。
置く場所・量を決める
今ある物を片付けるにしても、手放すにしても置く場所や置ける量の限界を知る必要があります。
限界を超えるほどの物を所持しているといくら片付けてもまたすぐに散らかってしまいます。
また、置く場所の好みは人によって違います。
特にこだわりが強い発達障害にとってはどこに何を置くのかを決めることは重要です。
自分にとってストレスがかからないレイアウトを心掛けるようにしましょう。
要・不要の基準を決める
要・不要の基準を予め決めることで断捨離を行う際にスムーズに取捨選択をすることができます。
ADHDが設定する場合は以下のような基準がおすすめです。
- 最高に気に入っているならば残す
- 数ヶ月以内に使用しているならば残す
- 迷うならば要らないと判断する
- 所有していることを忘れているならば捨てる
ADHDなどの発達障害は興味がある物に対してはズバ抜けたこだわりを持ちます。
その代わり、興味が湧かない物はほとんど使用しません。所有していたことさえ忘れています。
この特性は物の取捨選択を行う際には一つの基準として利用することができます。
捨てるかどうかを迷っている時点で興味を持っていないため今後使用する可能性は低いです。
手放す方法を決める
ADHDの特性として「共感力が強い」ことがあります。
共感力が強いことで、他人の気持ちを汲み取ることができるなどの長所にもなります。
しかし、共感力が強いことで要らない物でも手放す際に躊躇してしまう場合があります。
例えばプレゼントでもらったり友達とお揃いで買ったといった少なからず思い出がある物です。
これらは共感力が強いADHDにとってなかなか手放すことが出来ません。
もしそういった物があるのであれば、売るという選択肢もあります。
売る方が捨てるよりも罪悪感は減るのではないでしょうか。
ただ、「売る」という行為は「捨てる」よりもかなり面倒なので手放す際は極力「捨てる」方法をおすすめします。
どこを片付けるのかを決める
次に、どこから片付け始めるのかを決めます。
なぜなら順番を決めることでADHDの苦手なマルチタスクを行わずに得意なシングルタスクだけを行うことができるからです。
また、「自分は今からここを片付ける」と決断することで頭の中を片付けるモードに切り替えた方が集中することが可能だからです。
シングルタスクを意識する
ADHDはマルチタスクが苦手な分、シングルタスクの場合は誰よりも効率よく行動することができます。
あれもこれもと色々な場所を少しずつ片付けてしまうと逆に効率が悪いです。
ADHDは頭の回転が早いのでマルチタスクを行ってしまうと頭が回転し過ぎて疲れてしまうからです。
それならば一箇所を片付けたほうが集中力をそこだけに注げるので、普通の人よりも早く片付けを終えることができます。
スピーディーに決断する
ADHDは考え込むことが苦手です。
代わりにスピーディーに決断することが得意です。
そのため片付ける場所もすぐに決めてしまいましょう。
最初に目に入った場所でも最初に思いついた場所でも良いです。
スピーディーに決断することで得られる利点は以下になります。
- すぐに行動に移すことができる
- 決断することで「片付け」に集中することができる
ADHDが片付けを行う上で懸念すべき点は、「途中で別のことに興味が移ってしまう」ことです。
集中できていない時ほど途中で気が散る確率が上がります。
「今から片付けを行う」ことをすぐに決断してすぐに行動すれば興味が移ってしまう可能性を少しでも減らすことができます。
すぐ行動に移す
自分なりのルールを設定し、どこから片付けを行うかを決めたらすぐに実行に移しましよう。
ADHDは行動的でアクティブな面があります。
そのため、ある程度の決め事をしたら机上で考えるよりも実際に行動した方が結果的に早く片付けが終わります。
考え過ぎると行動に移す前に頭が疲れてしまうので注意しましょう。
まとめ:ADHDが行う片付け方の3ステップ
この記事で紹介したように、ADHDでも得意なことを活かすことで苦手な片付けを苦なくこなせます。
以下の3ステップを意識して片付けを出来るようになりましょう。
- ルールを設定する
- どこを片付けるのかを決める
- すぐ行動に移す
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