一定条件を満たした障害者の方には『障害者手帳』を取得することができます。
もちろんADHDをはじめとした発達障害者も取得することが可能です。
障害者手帳を持つことによって、様々な支援やサービスを受けることができます。
障害者手帳とは
障害のある方が取得することができる手帳の総称が「障害者手帳」です。
障害者手帳は、障害の種類によって三種類に分かれます。
身体障害者手帳
身体に障害があり、日常生活や就労の場で困難が発生する方に対して発行される手帳です。
外から見てわかる障害の他に、視力の極端な低下や血液の疾患も身体障害者手帳の区分に含まれます。
以下のような障害を持っている方が対象となります。
- 視覚障害
- 聴覚・平衡機能障害
- 音声・言語・咀嚼機能障害
- 肢体不自由
- 心臓機能障害
- 肝臓機能障害
- 呼吸機能障害
- 腎臓機能障害
- HIVウイルス免疫機能障害
精神障害者保健福祉手帳
統合失調症、うつ病、精神疾患などがある方に対して発行される手帳です。
外から見ると障害を持っていることが分かりにくい人が障害者と証明することができます。
取得するためには、精神疾患による初診から6ヶ月以上経過している必要があります。
ADHD、ASD、LDなどの発達障害はこの「精神障害者保健福祉手帳」を取得することができます。
以下のような障害を持っている方が対象となります。
- 統合失調症
- うつ病、躁鬱病
- てんかん
- 薬物やアルコールの中毒または依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害
- その他の精神疾患
療育手帳
知能障害がある方(主に子供)に対して発行される手帳です。
法律で定められた制度ではないため、地方自治体の裁量が強く、全国的な基準がありません。
地域によって「愛の手帳(東京都・横浜市)」、「みどりの手帳(埼玉県)」などの独自の名称があります。
対象となる方は主に以下のような条件に当てはまる方になります。
- 18歳以前に知的機能障害が認められ、それが持続している
- 知的検査によって測定された知能数値(IQ)が75以下
- 日常的に支障が生じているため、特別な援助が必要
ただし、前述したように療育手帳は全国的な基準がないため、詳しい内容はお住いの自治体に確認する必要があります。
障害者手帳の等級について
障害者手帳には障害の具合や日常生活への影響度によって等級が別れています。
身体障害者手帳の等級
身体障害者手帳では1級から6級の等級が定められています。
等級ごとの基準については厚生労働省が設けています。
精神障害者保健福祉手帳の等級について
精神障害者保健福祉手帳では程度によって1級から3級まで定められています。
- 1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
療育手帳
療育手帳はの等級は基本的に重度「A」と中軽度「B」に分けられますが、自治体によってはもっと細かく分けている場合もあります。
障害者手帳を取得するメリットについて
障害者手帳を取得するメリットについてはどのようなものがあるのでしょうか。
地域によっても変わりますが、代表的なものをご紹介します。
障害者雇用の求人に応募ができる
法定雇用率という「一定の数の障害のある人を雇用する」ことを義務付けた制度があります。
民間企業では、全従業員の2.2%に当たる人数の障害者を雇用しなければなりません。
そのため多くの会社には、一般雇用の他に「障害者雇用」という求人枠があります。
一般の方は障害者雇用に応募することができませんが、障害者手帳所持者ならば応募することができます。
障害者雇用の人数は少ないですが、そもそも応募数が少ないため一般雇用よりも就職しやすい可能性もあります。
dodaチャレンジのように障害者を対象とした就職エージェントもあります。
公共料金等の割引
鉄道やバスなどの公共料金の割引が地域によってあります。
例えば東京都であれば都営交通無料乗車券の発行が可能です。
また、適用条件によってNHKの放送受信料が半額、または全額免除になります。
携帯電話会社の料金割引サービスも適用できる可能性があります。
税金の控除・減免
所得税や住民税、相続税の控除の対象となる場合もあります。
施設等の割引
地域によって施設等の割引が適用されるところもあります。
東京スカイツリーでは障害者手帳を見せることで、料金が半額になります。
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